更新ネタもないので、誰に頼まれたわけでもないけどメイキング解説しようかなみたいな。使用ツールは、ラフ〜着色はSAI、仕上げにPHOTSHOPを使います。
※各工程の画像は、最後にまとめて連続で見られます。
@まず、描きたいものを用意します。背景付きで労力が結構必要なイラストを完成させるのに必要なことは、最後までモチベーションが続くような題材を選ぶことですね!
今回は、よつばと!を読んでて、↓こんな感じの、一連のおっさんのふんどしのシーンがあって、
前回の記事にも書きましたが、「いや、そこは風香のふんどし姿だろー!」と暴走したのがきっかけなので、モチベーションが続く自信がありましたw
A次に、色々想像というか妄想をしながらラフを描いていきます。
今回は、よつばと!の雰囲気に近づける狙いで、背景トレスに挑戦しました(この辺は前回の記事に詳細があります)。
背景トレスが前提の場合は、ラフを起こす前に背景及びキャラ絵の構図をすり合わせて、使う背景を決めた上で、その背景のパースに合わせてキャラ絵を起こしていくんだと思うんですがw今回はとりあえず「風香ノフンドシヲ描クノダァアアアムヒャフヒハヒハヒィイイイ!!」という感じだったので、何はともあれキャラ絵を確定させちゃいました。
んで、上記したように手順が前後しましたが、背景用にいい感じの写真が欲しいわけです。しかし、残念ながら国恩祭(「よつばとまつり」のモデルらしい)に関わる神社の写真は持ち合わせていないし、撮りに行くにも遠すぎるしってことで、今まで撮り溜めたモノから良さげなモノを見繕った結果、これがいいかなーってことになりました。
今回はなんかうまいこと角度がハマるモノがあってラッキー(人によっては不自然に見えるかもしれませんが汗)。で、↑のラフに合わせて、写真の利用する部分を決めたところ、↓こんな感じになりました。
で、画面がまだ寂しいなーって感じだったので、モブキャラを加筆しーの、背景も簡単になぞりーの、とりあえず完成予想図としてのラフが完成。
風香の頭と股から伸びる水色の直線は、モブキャラを描く際に風香とのパースを合わせるために引いたパースラインです。そもそも背景自体、目測で調整しただけなので、パース?何それおいしいの?状態ですがw一応画面左側に消失点がありますw 画像周辺にある水色の枠は、パースを取る際に一時的にキャンバスを大きくしたので、トリミング用に付けたものです。
Bペン入れをする
自分の場合、ラフ段階で、ほぼ、線が決まっていることが多いので、ペン入れは作業としては楽です。ただ、自分の線はどうしても硬くなっちゃうのが悔しいビクンビクン!ペンタブでの入り抜きがまだ全然できませんね。
線画レイヤはいつも大体こんな感じ↓に分けます。
↑を説明しますと、まず、大きく「メインのキャラ」と「背景」で分けます(今回は「モブ」もあります)。で、「メインのキャラ(風香・よつば)」をさらに「髪」「顔」「輪郭」で分けます。
「顔」というのは目(+眉)・鼻・口の線画のレイヤ、「輪郭」というのは、「髪」「顔」以外の全ての輪郭線のレイヤです。「顔」レイヤにマスクを使ってますが、これは髪で隠れる部分の線を非表示にするためです。場合によっては、髪がかかってもそのまま線を見せることもあるので、保険のためにマスクを使って、線を残しています。保護°@能は、塗りの段階で線の色を変更する時に使いますね(ペン入れ時は黒で描いていきます)。
で、線画はとりあえず↑こんな感じになります。
自分の場合、この工程で「後で消す線」も引きます。例えば、ふんどしから伸びている、脚の付け根のところにある薄い線とか、右脚の付け根…おしりとの境目の線とかですね。他には、消すかどうかはマチマチですが、服のシワや、背景の柱の角の部分など、一通り線を引いちゃいます。これは、陰影を付ける段階でアタリとして使うためです。陰影を付け終えたら、薄消しして様子を見ながら、残す時は残しますが、ほとんどの場合全部消しちゃいます。
Cベースの色を置いていく
この工程はホントにただの作業なので一番嫌いですw でもやらないわけにはいかないので頑張ります。最近は、塗りつぶす予定の領域を2値ペンで縁取ってからバケツでドバーって感じでやってます。鉛筆ツールで塗りつぶしてもいいんですが、たまにちゃんと塗れずにムラになってることがあるので。で、まぁこんな感じになります↓。
D陰影を付けていく
自分はラフ描いてる時が一番楽しいんですが、二番目に好きなのはこの工程ですね。↑のような、ノペーっとしたイメージが、陰影を付けることで存在感がいきなり出てきます。イラストに命を吹き込んでる感じがして、すごくやりがいがある工程だと思ってます。
↑とりあえず、背景とモブの陰影。メイキング作ることをこの時から考えてれば、一陰〜二陰〜照り返し〜ハイライトっていう感じで順を追いたかったんですが、残ってるデータは既にレイヤ結合したものしかなかったです(先に背景から完成させたので)。すんませんw
背景トレスをする際、ホントのやり方ではどうやって色を塗っていくのかがわからなかったので、このイラストでは、線の抽出だけがトレスで、塗りは模写のような作業形態でやりました。やっぱり、写真が手元にあると、何も参考がない場合と比べて、リアルさが相当違いますね。
作業してて一番感動したのは、一陰、二陰辺りまではいつも通りな感じでそれほどでもなかったんですが、照り返しを入れた辺りから突然リアルな感じが出てきたことですね。
いままで、写真見ながらきちんと背景の模写をしたことがなかったので、今回はすごく勉強になりましたね。何も資料がなければ、いつもならただ陰を置いてるだろうなーっていう部分が、照り返しのせいで全然明るかったりw あと、照り返しの光は、日光よりも全然弱いので、反射している場所からの距離で陰の濃さも結構変わるってのも、わかると当然なんだけど、今まで全然気にしてなかったなーとか。
まぁ、そんな感じで背景は大体終わって、次にキャラの陰影です(今回は背景トレスっていう意識が先行してたので背景を先に塗っちゃいましたが、いつもはキャラの陰影からやってます)。
↑一陰、二陰でこんな感じです。立体感がかなり出てきます。ボトルのラベルも加筆してます。で、明るい部分を塗るとさらに立体感が出ます↓。この工程でシワを塗る時と、おっぱい塗る時は三番目に好きですw
↑では、それぞれのパーツごとに「スクリーン」レイヤを1〜2枚使ってます。他には、「汚し」と呼んでいる乗算レイヤも必要なパーツごとに作成しています。これは、服や背景などにシミを入れたり、テクスチャ+水彩で軽く塗って質感を足したりするためのレイヤで、これがあると、リアルな感じが増ような気がする…そんな願望w
最後に、目、髪、ボトルにハイライトを入れて、ほぼ完成です。
E色合いなどの調整とその他
この工程でやる作業は大体こんな感じです。微調整ということもありますし、一枚ずつ見てもよくわからんと思うので、画像はナシでいきますね。
・文字を入れる(今回はハッピの文字)。下地に合わせて自由変形や切り貼りをする。
・下地に合わせて、文字にも陰影をつける。
・キャラと背景にまたがって、ごく薄い青色を「スクリーン」で重ねる。はっきり見せたい部分は薄消しをかける。
空気感出たらいいなーという願望が込められた作業ですw
・背景のみに、ごく薄い青色を「スクリーン」でさらに重ねる。適宜薄消しをかける。
空気感出たら(ry
文字はPHOTSHOPで出力しますが、それ以外のここまでの工程がSAIでの工程です。で、ここから後はPHOTSHOPでの工程になります。
・背景や近景(ここではよつば)にガウスフィルターをかける。
なんちゃって被写界深度というモノらしいですw ぶっちゃけよくわかりません!でも、なんかそれっぽくなるので結構やりますw
・全レイヤを結合した上で、トーンカーブを使って、主にコントラストの調整をする。
ほんとに微妙にしかやりませんw
・結合したレイヤを複製して、複製した方のレイヤを上にし、かなり強めにガウスフィルターをかける。
・そのレイヤを「比較(明)」で下のレイヤと合成し、不透明度を30%まで下げる。
グロウ効果っていうヤツなのかな?今回は、真夏って感じの空気感を出したかったので使ってみました。相変わらず、空気感が出たらいいなーという願望ですが。
いつもは、この後、「カラーバランス」で、陰色にシアンをちょっと混ぜるんですが、今回はいじらない方向で行くことにしました。
まー、こんな感じで完成ですね。一日寝かせると、目がリセットされて、客観的に見れるようになるので、投稿するのは、完成!となった次の日に、改めて見てからと決めてます。そこでもしも、あーやっぱ投稿すんのヤメとこう…ってなることもたまにありますw まぁ、そういうイラストは大体、描きながら違和感バリバリ感じてるんですけどね。最近は、もうその時点でやめちゃうんで、投稿すんのヤメたっていう事態にはほとんどなりませんが。
やー、いつも結構長文になっちゃいますが、今回はかつてないほどに長くなりましたね。最後まで読んでくださった方、おつかれさまですw ありがとうございました〜!
↓で一連の工程を連続で見れます。大きいサイズの画像は
pixivにあります。
Jul.23. 7:00